顕彰事業

第12回表彰 授賞式の模様:矢内廣氏受賞挨拶

ぴあの矢内でございます。
本日は、このような慣れない着物姿で参りました。いろいろと考えたのですが、畏れ多い気持ちを表すには、「やっぱり、紋付羽織袴かな」という結論に達しまして、このような姿で参りました。

改めまして、この度の渡辺晋賞を賜りましたこと、本当にありがとうございます。
私の人生におきまして、最高の勲章をいただきました。また先程来、渡辺美佐会長、林真理子さん、宮田亮平文化庁長官の代読をされた内丸さん(文化庁文化部長)、過分なるお言葉を頂戴しまして、本当にありがとうございます。恐縮の極みでございます。

私は、渡辺晋社長をぴあを創業した頃から存じあげておりましたが、ちゃんとお話しをする機会を得ましたのは、「チケットぴあ」を始める少し前のことです。もうお亡くなりになってしまいました電通の入江雄三さんのご紹介で、3人で会食をする機会を設けていただきました。ぴあの生い立ちについて晋社長にお話をする初めての機会でもありました。

その際、晋社長からは業界のことについていろいろお話を聞かせていただき、そして、新規事業である「チケットぴあ」についても大変力強く励ましてくださいました。最後に、晋社長は忘れられないことをおっしゃったのです。「矢内君、これまで君を導いてくれた先輩方の御恩を決して忘れちゃいけないよ」と。

私がぴあを始めたのは、学生の時でした。お金もない、ノウハウもない、人脈もない、本当にないない尽くしのスタートでありました。しかし、それを補ってくださったのは、その後出会った多くの人生の大先輩方でありました。幸運な出会いに恵まれ、そして助けられて、ぴあはその後やって参りました。もし、そういう出会いに恵まれてこなかったら、今のぴあはなかった、とはっきりと断言できます。その意味で、ぴあは私にとって授かりもののような、そんな気分であります。

あの時に、晋社長が「先輩の御恩を忘れるな」と言ってくださったそのひとことは、今でもなお私の心に深く刻まれており、生き続けております。今日の受賞は、私の話に対して耳を傾け、真剣にアドバイスをしてくださった晋社長から、「よくやったね」とお褒めの言葉をいただいたような気分でございます。私は、本当にそのことに対して、言葉にすることができないほど嬉しく思っております。

本日のこの受賞を大きな契機としまして、渡辺晋賞の名に恥じず、また感謝の気持ちを忘れずに、業界のため、社会のために、微力ながらも、今後も尽力していく所存でございます。どうか、今後も皆さま方からの厳しいご指導、ご鞭撻をお願い申し上げまして、私の御礼のご挨拶とさせていただきます。本日は本当にありがとうございました。

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