顕彰事業

第11回表彰 第11回渡辺晋賞:北村明子氏

【第11回渡辺晋賞】
北村 明子( きたむら あきこ )氏

1947年京都市生まれ。シス・カンパニー代表取締役、演劇プロデューサー。

『授賞理由』
既存メディアやパッケージ文化の混迷が続く昨今のエンターテインメント環境にあって、北村明子氏は演劇界で永年に亘り、手がけた全ての公演に収益を出すという見事な実績を持つ演劇プロデューサーであり、また多くの個性豊かな実力派俳優のマネージメントを行う「シス・カンパニー」の経営者でもある。
「シス・カンパニー」は、85年に「劇団 夢の遊眠社」内に俳優マネージメント部門を設立したことから始まり、これが前身となって89年に法人として独立した。高品質の舞台制作と合わせ、映像・伝統芸能・作家・演出家などの若い才能の発掘・育成を行っている。これらの数多くの活動と、また常に演劇ファンへの新鮮な刺激を与え続けていることに対して、第11回渡辺晋賞を贈る。

『略歴』
1947年京都市生まれ。シス・カンパニー代表取締役、演劇プロデューサー。
劇団くるみ座、劇団文学座研究所を経て女優として活動。
その後、85年に「劇団夢の遊眠社」内に俳優マネージメント部門を設立。
89年、劇団マネージメント部門を「シス・カンパニー」として法人独立させ、マネージメント業務の拡張と共に劇団の公演制作も担当。俳優マネージメントと舞台制作の両輪での活動が始まる。92年の劇団解散後は、野田秀樹の演劇活動基盤となる『NODA・MAP』を野田秀樹と共に立ち上げ、94年第1回公演から2008年1月まで、プロデューサーとして全作品の制作を担当した。
また、『NODA・MAP』プロデューサーとしての活動と並行して、「シス・カンパニー」独自の舞台制作を98年より開始。2002年から本格化した「シス・カンパニー公演」では、現在に至るまで年間平均4〜5本の舞台作品をプロデュースしている。
2006年には、その年の演劇活動全般に対し、第41回紀伊國屋演劇賞団体賞が授与され、同年上演の『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない?』は、第14回読売演劇大賞最優秀作品賞、『屋上の狂人』は同じく優秀作品賞を同時受賞した。その後も、『人形の家』『叔母との旅』、『大人は、かく戦えり』をはじめ、演劇賞に輝く良質な作品を数多く発表し続けている。
シス・カンパニー公演以外では、2005年に経済産業省からの依頼を受け、「愛・地球博」(愛知万博)瀬戸日本館にて、群読叙事詩劇「一粒の種」をプロデュースした。
現在、アーティスト・マネージメントと舞台企画製作を軸に、総合的なエンターテインメント活動を展開している。
2016年1月、長年の舞台制作の成果に対して、紀伊國屋演劇賞五十回記念特別賞制作者賞が贈られた。

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